hamartomatous inverted polyp (ガストロ用語集 2023 「胃と腸」47巻5号より)

hamartomatous inverted polyp

HIP(hamartomatous inverted polyp)は粘膜下に異所性に腺管の増生を認め,

胃内腔に膨張性に発育してポリープ状の形態を示す病変である.

hamartoma(過誤腫)とはその構成成分が存在する臓器や組織の成分として元来存在するもので,

その組織成分の量的組み合わせの不均衡により,特定の成分が過剰形成されて腫瘍の形態をとるものと定義されている1)

1966年にAllen2)が直腸において,異所性腺管が粘膜下へ逆行性,嚢胞状に発育し,腸管内へ突出する形態をとる病変をHIPと報告し,

胃でも同様の表現が用いられている.

HIPは胃体上部や穹窿部などの胃底腺領域に好発し,病変は粘膜下異所性胃腺の増生,貯留,嚢胞化により,比較的大きな孤立性腫瘤を形成する.

本症には様々な呼称があり,医学中央雑誌にて1995年以降で検索した範囲では

hamartomatous inverted polypのほかに過誤腫,胃粘膜下異所腺,submucosal heterotopia of gastric glands,submucosal heterotopic gastric glands,

gastric gland heterotopia,gastric submucosal heterotopiaなどの名称で報告されている.

内視鏡所見は病変の大きさにより様々であるが,基本的には粘膜下腫瘍様形態を呈することが多い.

本症の形態に関してAokiら3)は有茎性の病変をポリープ型,無茎性の病変を粘膜下腫瘍型と分類しているが,

病変が小さいものは粘膜下腫瘍様の形態を呈し,サイズが大きくなると,腫瘍が重みで胃内腔側に引っ張られ,

有茎性の形態を呈すると考えられる(Fig. 1).